シン・エヴァンゲリオン劇場版観た
とりあえず新宿バルト9の10:20〜13:10の回で観てきた。以下雑感。ネタバレ含む。
- ギリギリに行ったら発券・エレベーター待ちで長蛇の列ができていて階段を駆け上がるハメになった。体験としては実によかったと思う。
- 冒頭は0706作戦から結構SE変わってましたね。陽電子砲食らってる戦艦を蹴り飛ばす箇所は前のほうがよかった気がする。
- 取り返しのないことが起こっても人生は続く。
- シン・ゴジラで被災を描いた先の問題意識として復興が出てくるのはまあ自然ですよね。
- オタクがクネクネしている横でみんな生活を送っている。意味なんかないさ暮らしがあるだけ。
- シンジを信じるだとか縁がある→エーン(赤子)だとか槍でやり直すほどでないにせよこういう入れないと死ぬ病気なんか?
- 「綾波・式波シリーズはシンジへの好意を持つようにデザインされている」という設定からアスカの使徒化演出と救済に繋げてくるのは上手いですね。ちょっとMGS2〜伊藤計劃の手付きを連想したよね。
- 村に馴染むのもまあいいんだけど、そこへのカウンターがあまり出てこなかったのはいいんですかね。
- 「メンタル」「精神強度」「最適解」あたりの言い回しはちょっと今風すぎるというかエヴァで出していいんだっけ? と戸惑った。
- 「これが……涙?」とか「後は頼む」がリフレインされるのは素朴にグッとくる。
- みんなまともに成長している横でうなだれているシンジくんが自分なりにケジメをつけて同じようにうなだれているゲンドウを説得するというのは構図として非常にわかりやすいですね。
- シンジくんが釣りで即坊主になるシーンがいい感じに観客の緊張を緩和していたように思う。
- 日常シーンの幕間ちょっと新海作品っぽくなってなかった?観る側の感覚があれに染まっちゃってるだけかな。
- これケンケンと絶対デキてるだろと思ったらまあ。
- アスカの「好きだった」という感情の吐露で長いため息が出た。隣のオタクもそんな感じだった。
- なんで殴ったか言っちゃうのは説明しすぎじゃない?大丈夫?
- ミサトさんageがちょいちょい入っててウケる。落としどころとしては綺麗でしたね。
- 冬月先生の行動原理と去就はかなり好きだな。同じものを観たいという連帯。袂をわかってもヴィレクルーに能力を高く評価されているのもいい。
- 突入時の戦闘や補完発動時のCGは大味というかMMORPGのベンチマークテストっぽく見えてしまった。
- 補完のはじまりが地鳴らしみたいな画になってしまったのも残念。
- あまり劇伴でグッとくるものがなかった。まだQ終盤の方が印象に残っている。
- 絶対誰か言うと思うので先に言っておくとエヴァ消してくシーン10連ガチャみたいだよな。
- Qの777は「これ絶対パチンコで使われるやつだろ」と思ってうんざりしたんだけど999もそう。
- 巨大化綾波のCGもなんだかね。ミドリにツッコミを入れさせるためのギミックなのかもしれないけど。
- 無人在来線爆弾→無人戦艦ロケットなのはウケた。
- 量子テレポート!wはいい意味で雑でよかった。
- ゲンドウの回顧はEOEとの差分でグッとくるしああこれは親殺しの話なんだなと腑に落ちるけどどうしてもザコシを思い出して笑った。
- マリエンド。マリがイスカリオテのマリアだというのはよくわからんですね。何回か観た上でオタクの長文読まんとな。
- 補完の演出はEOEありきなので感想は「すごいものを観た」にはなりえず「手癖だな〜」と思ってしまった。
- 親子喧嘩。殴り合いはやめて話し合おうってお前最初からそうしてろよと思ったけどそういうのを一つ一つ積んでいくのは偉いよ。
- エヴァのセットはオトナ帝国思い出しますね。あれも呪縛から逃れる話だった。
- フレーバー程度の謎は残しつつ話としては綺麗に終わったように思う。説明と初出の設定を詰め込みすぎなきらいはあるが。
- 庵野の故郷で終わる。肩の荷を降ろせてよかったですね。
- スタッフロールに学生時代のバイト先が出ていて時の流れを感じた。時の流れを肯定する作品の締めくくりにふさわしい体験ができたと思う。
気が向いたら加筆する。
Komifloで読める2020年よかったエロ漫画10選
ご無沙汰してます。昨年に引き続いて今年もやるよ。今年は肺炎に罹る、女に蒸発される、骨折する、そして会社を辞めるなどのイベントが目白押しで、人生の不可逆性を否応なしに思い知らされた一年だった。例年にもましてエロ漫画には助けられたように思う。社会情勢も混迷の一途をたどっているなか、コンスタントに優れた作品を世に還元してくださっているエロ漫画家の方々には感謝してもしきれない。だからこそ、10作品まで絞り込む作業には相当の痛みをともなった*1。悪いがこれも仕事なんでな。はい、行きます。
- 快楽天 2020.04 「仲良くしてね」 いだ天ふにすけ。マッチングアプリのプロフィールに「マカロニえんぴつが好きです」とか書いてる女はだいたいこのようにして一生を終える。エロ漫画ナイズドされた竿役とは一線を画した、あ〜いるいるとなるクズ男の人物造形が巧い。
- 快楽天 2020.07 「プラトニック革命」 七ツ田。無知シチュだけど常識がバグっているのでめちゃくちゃエロいというやつ。さらに上を期待させる引きもすごい。単行本では続編描いてほしいですね。
- COMIC BAVEL 2020.08 「愛しのオーク様♡」 みぞね。これまで異種姦ものにはあまりピンと来ていなかったのだが、この作品が蒙を啓いてくれた。実在しない形状の肉体が織りなすダイナミクスが素晴らしいです。
- 快楽天 2020.08 「主従ストロール」 小中えみ。犬になりて〜
- 快楽天 2020.08 「限界突破ライブラリー」 ごさいじ。おねショタもの。大好きなお姉さんが実はサキュバスで、しかもレベルドレインまでしてくれるなんて! お子様ランチか?
- HOTMILK 2020.09 「雌吹 -メブキ- 2」 えいとまん。やっぱこれだね。堕ちていく女を描くことにかけて、えいとまん先生の右に出る者はいない。前作からの服装・性格の変化、匂いによる発情、屈従と媚態、人生をズタボロにする絶頂描写。どれを取っても一流のプロの仕事です。
- BEAST 2020.09 「先生のいちばん」 7x2。教え子もの。未成熟な肢体のファムファタール的な少女に人生台無しにされて〜というパッションがすごい。地味に乳首いじってくれるのもありがたい。昏いオチも少女が自分からはアンコントローラブルであることを示していて好み。
- BEAST 2020.10 「新しい性活」 Cuvie。人妻もの。日々の服装の変化を通じて静かな昂ぶりを描く手腕が図抜けている。あと絶対洋画みたいな服の脱ぎ方だろっていうね。不貞ものでありながら爽やかな春の日のような読後感なのもいい。
- BEAST 2020.12 「放課後限定♡すぺしゃるメニュー」 五月猫。立ちバックと二回戦を誘うシーンが最高。二回戦で女の子が説明口調になっているのもいいです。私はそうと知覚する前に青春時代を終えたので一生このような幻影を求めて彷徨うことになります。
- 快楽天 2021.02 「寄り酔い寝ざめ」 亜美寿真。とにかく激戦区だった最新号の中でも際立っていた作品。お酒の勢いに頼らないという新機軸。男がギラつくシーンで私も思わずメス顔になりました。
今年はこんな感じでした。このようにエロ漫画を選ぶという営為は、おのれの魂の輪郭を明確にすることを意味する。昨年の記事を受けて、各々の魂のあり方を示してくれた方々の記事をここで紹介したい。
- 今年のKomifloで読めるエロ漫画16選 - アニメを見る機械
- Komifloで読める今年良かったエロ漫画10選 2020 - 世界で一番うなぎがうまい
- Komifloで読める自分の好きなエロ漫画2020 - 書き置き
みなさんもぜひ。
ところで、KomifloではWANI ANTHOLOGYという特別号を設けて、すでに単行本に収録されている過去作を再配信している。過去作であることから今回は選外としたが、どうしても紹介したい作品が2つある。
- WANI ANTHOLOGY Vol.1 「シルエット」 えーすけ。家出少女もの。天才作家の紛れもないマスターピース。しっとりとしたイントロから着衣のまま(!)ただただ快楽を貪る描写の爆発に至る様は見事としか言いようがない。教科書に載せろ。続編(「シルエット2×2」)になっても一切ダレないのもすごい。
- WANI ANTHOLOGY Vol.4 「ななみごろ」 ほた。おねショタ(インピオ寄り)の傑作。おねショタの真髄はいかにショタが溺愛されているかにあると見つけたり。Komifloでもコメントしましたが、何度も読み返し、日々の糧としています。先生が成人誌に凱旋される日を願ってやみません。
以上。重要なインフラを手がけている出版社の方々、Komifloサービス運営の方々もありがとうございました。よいお年を。
Komifloで読める2019年よかったエロ漫画10選
今年いちばん世話になったウェブサービスは何だろうか。おれにとってそれは、GoogleでもAmazonでもない。Komifloだ。端的に言うとエロ漫画版Netflixだ。今年のはじめに「なんか殺人鬼キャラっぽくてかっこいいかな」という動機でつけ始めた
そういうわけで、2019/12/31現在閲覧可能な1400件超*1の作品の中から、厳正な選考*2を通過したお気に入り10作品を紹介させてくれや。
- 快楽天 2019.04 「ネコ撫で恋」 雛原えみ。関係の進展を描いているイチャラブものには厚みがある。きっとご理解いただけると思います。
- 快楽天 2019.08 「はとば」 亜美寿真。こういう女性は実在するだろうなと思わせてくれる奔放さの描写とエロ漫画としての実用性のバランスが非常に練られている。
- 快楽天 2019.09 「ヒメ♡ハジメ」 きい。 年越しもの。なので今日のうちに読むべきです。ベタだけどカウントダウンいいよね。二回戦以降の盛り上がりが伝わってくるのもよい。
- 快楽天 2019.11 「帰ってきたゆうくん♂」 昼寝。鋭角的な筋肉と豊満な女体のコントラスト、濃厚な液体描写、そしてケレン味あふれるポージング。お腹いっぱいです。
- 失楽天 2020.02 「むちむち♡おねえさんサンド」 六角八十助。まず、こんなに縁起のいいタイトルってあります? 左右からの囁き、オーラル重点、ショタのかわいさ、おねえさんの溺愛度合い……間違いなくおねショタのstate-of-the-artといえる。
- X-EROS #76 「ドリーム&リアリティ」 軽部ぐり。家庭的な褐色ギャル枠。単に優しいというよりは適度に打算的で快楽優先なのがよい塩梅。肉感描写の素晴らしさは言うに及ばず。
- X-EROS #80 「POV神待ち少女#2」 けんじ。完全主観かつ竿役が喋らないシリーズの2作目。視界が限定されているからこそ女体の部位が引き立つ。ハードなプレイも相まって臨場感抜群。
- X-EROS #81 「Remind」 さんじゅうろう。浮気もの。次の逢瀬に向けて揺れ動く心情描写と、お互いの快楽のために貪り合うさまが素晴らしい。あと快楽に女の子の腰が弓なりに反り返るやつ好き。
- HOTMILK 2019.07 「村又さんの秘密2」 井雲くす。秘密を共有するやつの2作目。おねえさんがめちゃくちゃねちっこく攻めてくるやつがめちゃくちゃ好きなんだよな。液体描写も多めで助かる。どうでもいいんですが井雲くす先生が恋愛工学本のコミカライズやってたのマジで何だったんだ。
- HOTMILK 2019.08 「キンギョバチ 第四話」 えいとまん。陰惨な田舎の因習4作目。えいとまん先生は女の子の体だけでなく尊厳というか人生そのものを陵辱するというテーマで漫画を描き続けていて強い。判断能力がどんどん下がっていく過程に妙がある。かわいそう。
以上。アイツ、エロ漫画の話をするためにブログ再開したのか? お前らが監視してること知ってるんだぞ。生きててすみません。
真空低温調理の知見
Anova Precision Cookerで(真空)低温調理をやるときのメモ。歴3ヶ月くらいです。
真空低温調理
恒温水槽に真空パックした食材を入れて長時間放置する調理法。「煮る」の亜種。低温のゆえんはタンパク質の分水作用温度が68℃であることにある*2。病原体が死ぬ程度には高く、タンパク質が固くなりすぎない程度の低温。
ふつうの調理では食材の中心から外側にかけての温度にムラがあるが、低温調理では食材全体が均一な温度で熱せられることになる。
調理温度と化学反応
『Cooking for Geeks 第2版――料理の科学と実践レシピ』を読むべし。
肉や魚に含まれるタンパク質の約55%をミオシンという成分が、約25%をアクチンという成分が占めていること、ミオシンはアクチンより低温で変性すること、ヒトの味覚はミオシンは変性しているがアクチンは変性していない状態の肉を美味に感じること――最低限覚えておくべき理屈はこれだけ。
より具体的には、以下の温度を意識する。
調理温度 | 化学反応 |
---|---|
4℃ | 食中毒の原因となるバクテリアや寄生虫が増殖を始める |
37.8℃ | サルモネラ菌が盛んに増殖する |
40℃ | 魚に含まれるミオシンが変性を始める |
50℃ | 肉に含まれるミオシンが変性を始める 5分でカンピロバクターが死ぬ |
55℃ | 食中毒原因菌が生存できる温度の上限 |
60℃ | 2分でサルモネラ菌が死ぬ 2時間9分でE型肝炎ウイルスが死ぬ |
61℃ | 卵が固まり始める 1時間20分でE型肝炎ウイルスが死ぬ |
63℃ | 厚生労働省による加熱食肉製品の加工基準、いわゆる「合法」ライン 30分でE型肝炎ウイルスが死ぬ |
65℃ | 3分でO157が死ぬ |
65.5℃ | 肉に含まれるアクチンが変性を始める |
68℃ | I型コラーゲンが変性する |
70℃ | 植物性デンプンが分解する 1分でO157が死ぬ |
154℃ | メイラード反応が顕著となる |
つまり、肉は55℃~65.5℃の範囲で調理すればよい。
基本的に、低温調理したのちに肉の表面を加熱すれば*3パスチャライゼーション、すなわち殺菌できるが、ブタに感染するE型肝炎ウイルスは、肉の表面だけでなく内部にもいる可能性があるため、表面温度ではなく中心温度60℃を2時間9分維持する必要がある。
食材ごとの特徴
感想。
牛
短時間でもいい感じ。58℃でやるくらいがミディアムレアでおいしい。
ローストビーフの場合、塩コショウを振り、スライスしたにんにく、ローズマリー、タイムなんかと一緒にオリーブオイルに漬け、58℃で4時間加熱、冷蔵庫に一晩置いてから*4、最後に表面を焼き上げればよいという結論に至った。これなんですけど。
煮汁は醤油とみりんを足して煮詰めてタレにするとよい。
部位としてはロースやモモが定番だが、タンもよかった。まあ全部おいしいよ。
豚
E型肝炎にはなりたくないので60℃スタート。
醤油、酒、みりん、生姜、にんにく、長ネギを煮てつゆをつくっておき、豚と一緒に61℃で半日放置しておけばチャーシューが爆誕する。
均等に加熱されるのでタコ糸を巻く必要はない。
コラーゲンが多い肉は時間をかければかけただけよくなる。
羊
獣臭いのでハーブが要る。前述のローストビーフの手順に沿ったものがかなりよかった。ただし写真はない。
鳥
仕上がりはサラダチキンっぽい感じ。
ローストビーフのタレに加えて、粗挽き胡椒とレモン汁を投入しておくとさっぱりしておいしい。
温度と時間はどれくらいが適切なんですかね。まあどの肉も60℃5時間やれば肉を口に入れた人間が笑い出す程度にはおいしくなる。
卵
63℃1時間で温泉卵。
ジップロックに入れる必要はない。が、いくらサルモネラ菌が死に絶えるといっても、そのまま水槽に入れるのには抵抗がある*5。ので、やはりジップロックに詰めたほうがよいのではないかと思う。このとき、水やつゆ*6を封入しておかないと割れやすくなる。
魚
54℃1時間半。51℃以下になるとちょっと生っぽい。
短時間だと唐辛子を入れてもそう辛くならない。
なお、55℃以上長時間でなければ魚のパスチャライゼーションは達成できないが、調理して2時間以内は生食と同じコンディションとされる。すぐ食えば大丈夫。
フルーツと野菜
あまりよくわからない。
リンゴをサイダーに漬け、レモンの皮、レモン汁、クローブ、バニラエッセンスを投入して70℃で1時間煮たものはおいしかった。煮汁は煮詰めてキャラメルに。
しかし肉ほど感動的ではないのだよな。
おわりに
よくわからん温度と時間ですがいちおう食中毒を警戒しつつ気持ちでやっていく感じ。
今年は低温調理のほか、醸造、燻製、生ハム原木などに対する気持ちがあります。
はい。